山川偉也『哲学者ディオゲネス 世界市民の原像』(2008、講談社学術文庫)

哲学者ディオゲネス -世界市民の原像- (講談社学術文庫)

哲学者ディオゲネス -世界市民の原像- (講談社学術文庫)


経歴に「アテネ大学哲学科客員教授を経て」と、
書かれている山川偉也の本。


検索してみたら、ディオゲネス単体の本はこれしかないようで、
小峰元の『ディオゲネスは午前三時に笑う』がヒットしたり、
ギリシア哲学者列伝』のディオゲネス・ラエルティオスがヒットしたり。


ディオゲネス』の基本プランは、
ディオゲネスプラトンに比するのではなく、
アリストテレスの「哲学」とアレクサンダー大王の「帝国」
に対抗させるというもの。


そうしたわけで、「十一章 アリストテレスの正義論」が力強い。
もっとも批判の枠は15世紀以降のハプスブルグ帝国だ。
スペインによる南米支配、アリストテレスの奴隷論。