「敗戦後のわが国の軍事出版史をふりかえる」(兵頭二十八)から　その１

◇兵頭二十八・太田術正『属国の防衛革命』

特に「１１　敗戦後のわが国の軍事出版史をふりかえる」(兵頭二十八)から。

■田中隆吉

田中隆吉『敗戦を衝く軍閥専横の実相』（山水社、1946年）
（中公文庫、1988年、2006年）
　元陸軍兵務局長・少将
　ガ作戦の兵力逐次投入の非を説く（初？）
　海軍については全く知らず

田中隆吉『日本軍閥暗闘史』（静和堂書店、1947年）
（中公文庫、1988年、2005年）

田中隆吉『裁かれる歴史敗戦秘話』（新風社、1948年）
（長崎出版、1985年）

■宇垣一成　…　反・東条。戦前に陸相や外相など

宇垣一成述・蒲田澤一郎編『松籟清談』（文芸春秋新社、1951年）
　松籟清談（しょうらいせいだん）。
　兵頭本には1946年刊行とあるが昭和26年の見間違えか？
　兵頭評、田中は「宇垣シンパで」、「「宇垣内閣」を夢見ていた」

渡辺茂雄『宇垣一成の歩んだ道』（新太陽社、1948年）

豊田副武述、柳沢健編『最後の帝国海軍』（世界の日本社、1950年）

■高木惣吉　…　反・東条。海軍少将

終戦覚書 / 高木惣吉. -- 弘文堂, 1948. -- (アテネ文庫 ; 12)
終戦覚書 / 高木惣吉. -- 弘文堂, 昭和23. -- (アテネ文庫 ; 第12)
太平洋海戦史 / 高木惣吉. -- 岩波書店, 1949. -- (岩波新書 ; 第12)
聯合艦隊始末記 / 高木惣吉. -- 文芸春秋社, 1949
太平洋海戦史 / 高木惣吉. -- 岩波書店, 1949. -- (岩波新書 ; 第12)
山本五十六と米内光政 / 高木惣吉. -- 文芸春秋新社, 1950
日本の運命 / 高木惣吉. -- 港出版合作社, 1950
軍事基地 / 高木惣吉. -- 弘文堂, 1951. -- (アテネ文庫 ; 第149)

　一軍人の生涯 / 緒方竹虎. -- 文芸春秋新社, 1955
　　サブタイ「回想の米内光政」

　陸軍悪玉・海軍善玉説

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兵頭説：占領期なので、検閲が入った。それがために、以下のものは、陸軍を告発スタンス

　運命の山下兵団 / 栗原賀久. -- 鹿鳴社, 1950　　フィリピン作戦　司令部にて
　
潜行三千里 / 辻政信. -- 毎日新聞社, 1950
ノモンハン / 辻政信. -- 再版. -- 亜東書房, 1950
亜細亜の共感 / 辻政信. -- 亜東書房, 1950
ガダルカナル / 辻政信. -- 養徳社, 1950
十五対一 / 辻政信. -- 酣灯社, 1950

バタアン死の行進 / 火野葦平. -- 小説朝日社, 1952

つづく