紹介:ゲイ・マネーが英国経済を支える!?

入江敦彦『ゲイ・マネーが英国経済を支える!?』

ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y)

ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y)

同性婚、および、パートナーシップというものが、
欧州・北米・南米の一部の国や州で現実となっている。

この本は、英国での「ゲイ婚」事情を説明したもの。
日本ではまともに報道されていないジャンルだ。

まともに、とは、新聞の政治経済面や経済誌などで
扱われていないということだ。
扱われるとしても、文化面などだ。

偶然だが、ななころびやおき『ブエノス・ディアス、
ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」』でも、
この件が扱われていた。

同書の「11 男が女で女が男(pp.123-128)」から引用する。

 日本でも、外国人同士の同性婚の効力が、ひそかに議論になったことがある。
日本に住む同性愛を認める国に外国人が、同国人と有効に婚姻届ができるか、
その「配偶者」の在留資格が認められるか、という問題だ。この事件については、
諸般の事情で最終的には届け出やビザの申請には至らなかったのだが、筆者は、
日本での婚姻届提出の可否について法務省民事局と、(外国で成立させるにせよ
日本に届出るにせよ)婚姻した後に妻(夫?)に「配偶者」の在留資格
認めあられるかという問題について法務省入国管理局と、多少の意見交換をした。

ラテンアメリカ志向の左翼である「ななころびやおき」氏の守備範囲では、
アレゼンチンのブエノスアイレス州が、二〇〇二年十二月十三日に、
そうした法案を州議会を通過したそうである。
また、二〇〇八年には米・カリフォルニア州上院がそうした法案を可決しているそうだ。

引用を続ける。

民事局は憲法二十四条に「両性の合意」とあるから憲法に違反する、
憲法は大事だから憲法違反は公序良俗に反する、と懸念を示し、
それに引きずられたのか、当初は柔軟な姿勢を示していた入国管理局も、
結局「配偶者ビザ」ではダメ、在留資格「特定活動」なら要検討、
ということになった。ただ、夫婦の本国法が共通ならば、配偶者かどうかは
その国の法律で決まる。日本人がからむ話ではないのだから、同性同士だろうが、
配偶者は配偶者である。 … どの憲法の解説書でも、同性婚を禁止しているとか、
嫌悪しているという説明がなされたことはない。憲法十三条が個人の尊厳を
規定していることを考え合わせると、結局、日本の憲法秩序は同性婚については
一切沈黙し、あとは状況に応じてみんなでよく考えて法律を作って決めなさい、
という立場だと説明するしかないだろう。

私は、この同性婚・パートナーシップが日本でも導入されることがあるだろうか、
といろいろ考えていたのだが(性同一障害で戸籍をチェンジ、というケースは散見される)、

このように、在日外国人というファクターがあることを忘れていた。

以上、この稿は問題の記述だけで終了する。