国籍法の改正

先日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/ken_74/20081122)の続き。

ああ、なんだ。これって、

ブエノス・ディアス、ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」

ブエノス・ディアス、ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」

『ブエノス・ディアス、ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」』の
「6 国が作り出すジャピーノ(pp.69-88)」で扱われている件は、

最高裁判所大法廷体験記(記念かきこ)
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/53018708.html

国籍法最高裁判決雑感 〜 Don de Fluir
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/53769250.html

これだったのか。つまり、ほぼ当事者だったのか。

読書したときに、ああ、なんか似たケースだな、とは思ったのだ。

同書87−88頁から引用しよう。

東京地方裁判所は、二〇〇五年四月十三日、
高橋さんとリリアナさんが結婚をしていないことを理由に
日本国籍を認めない国籍法三条は憲法に違反するとして、
敦君の日本国籍を認めた(翌日付新聞各紙)。
地裁レベルとはいえ、国籍法に関しては初の違憲判決であり、
憲法十四条に違反として法令を無効としたものは、
最高裁としては一票の価値の平等に関するものと
昔の刑法にあった尊属殺人重罰規定しかない(ただし、現在控訴中)。

 …

今度の判決は、国籍法三条に「父母の婚姻」とあるのを
「内縁を含む」と読みかえることができないことから、
憲法違反との判断につながったものであり、
現在の国籍法がいよいよ限界に来た事実を明らかにするものである。
いずれにせよ、ほんらいであれば日本国籍を認めるべきである者に対してまで、
国籍を認めないどころか、強制送還を命じていたというのだから、矛盾は深刻である。
 この判決をきっかけに、国籍法の抜本改正に向けた議論をせねばならない。
いつまでも個別の事件の当事者まかせ、裁判所まかせにすべきではない。
こうした議論のきっかけになるのであれば、この判決も輝きを増すだろう。
だが、問題を先送りにし、あるいは放置するのであれば、せっかくの違憲判決も、
数年後にはほこりをかぶっているに違いない。

とても抜本的とは呼べないものの、国籍法の改正につながったのか。

ついでに、当事者さん方のブログも。

JFCネットワーク東京日記
http://d.hatena.ne.jp/jfcnet/

ところで、憲法十四条だが、以下の通り。

第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
○2  華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
○3  栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

…ハハーン、なるほど。じつに「大日本帝国憲法」派の方々が嫌がりそうな条文だ。
なにゆえ、かくも激しく粘着していたのか、やっと理解した。