「ロマ書」について

新約聖書 訳と註〈3〉パウロ書簡(その1)

新約聖書 訳と註〈3〉パウロ書簡(その1)

新約聖書 訳と註 第四巻――パウロ書簡 その二/擬似パウロ書簡

新約聖書 訳と註 第四巻――パウロ書簡 その二/擬似パウロ書簡


3巻が出たのは2年半前、テサI・ガラ・コリI&II
4巻が出たのは半年前、ロマ書や偽パウロ書簡。


揃うことにより、やっとパウロが見えた。
パウロの手紙は口述筆記なのだなということがよく分かる翻訳だ。
比較すると、偽パウロ書簡はしっかり練られて作られたものだと分かる。


パウロは意志で動く人で、かつ、考えが甘く、
矛盾だらけのかなり駄目な奴だ。


ただ、標準的なギリシア的レトリック術と
当時流行していたヘレニズム思想が、
そして普通ぐらいのユダヤ知識人的教養とが、
素で行間からにじみ出しており、
何か深みがあるように読めるのだった。


彼は決して優れた人間ではなかった。ただの人だ。本当に。