ウージェーヌ・シュー『さまよえるユダヤ人』
- 作者: ウージェーヌシュー,小林龍雄
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1989/06/05
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ジューイッシュ・プロトコール系でよく取り上げられる
19世紀フランスの新聞小説家ウージェーヌ・シュー。
『さまよえるユダヤ人』は、出世作『パリの秘密』に続く作品。
邦訳版は、こちらの方が入手しやすい。
というか、『パリの秘密』完訳版は、
公立図書館では国会図書館にしかないようだ。
『さまよえるユダヤ人』の内容
1682年、とあるユグノーが金貨5万**の運用を
親しかったユダヤ人に託した。
相続の条件は、1832年2月13日に、
住所と集合地を記したメダルを持って集まること。
さて、1832年。
メダル5枚に6人の相続者(双子がいるので多い)。
しかし、遺産が分配されるということを独占的に知っている
イエズス会がその横取りを狙って暗躍する。
具体的には、相続候補者の一人をイエズス会士にし、
財産を寄進させる契約をさせる。
他の候補者は、悟られないように遅刻させるよう妨害する。
陰謀はからくも成就した…と思いきや、最後の最後で2通目の遺言状が登場。
集合時刻は+3日する、と変更が通告。振り出しに戻るのだった。
超自然的な、さまよえるユダヤ人(男女2人)が登場して、
なぜか微妙に相続者たちを助けている。
(というか、ユダヤ人を助けているのかも?)