ウージェーヌ・シュー『さまよえるユダヤ人』

さまよえるユダヤ人〈上巻〉 (角川文庫)

さまよえるユダヤ人〈上巻〉 (角川文庫)

ジューイッシュ・プロトコール系でよく取り上げられる
19世紀フランスの新聞小説家ウージェーヌ・シュー。

『さまよえるユダヤ人』は、出世作『パリの秘密』に続く作品。
邦訳版は、こちらの方が入手しやすい。

というか、『パリの秘密』完訳版は、
公立図書館では国会図書館にしかないようだ。

『さまよえるユダヤ人』の内容

1682年、とあるユグノーが金貨5万**の運用を
親しかったユダヤ人に託した。

相続の条件は、1832年2月13日に、
住所と集合地を記したメダルを持って集まること。

さて、1832年。

メダル5枚に6人の相続者(双子がいるので多い)。
しかし、遺産が分配されるということを独占的に知っている
イエズス会がその横取りを狙って暗躍する。

具体的には、相続候補者の一人をイエズス会士にし、
財産を寄進させる契約をさせる。
他の候補者は、悟られないように遅刻させるよう妨害する。

陰謀はからくも成就した…と思いきや、最後の最後で2通目の遺言状が登場。
集合時刻は+3日する、と変更が通告。振り出しに戻るのだった。

超自然的な、さまよえるユダヤ人(男女2人)が登場して、
なぜか微妙に相続者たちを助けている。
(というか、ユダヤ人を助けているのかも?)